屋上防水工事の施工方法は?必要素材と併せて解説!
2023.08.04
「屋上防水工事をする必要はあるのか」と悩むかもしれませんが、屋上防水工事は建物の寿命を延ばすために必要な工事です。建物の浸水や劣化を防ぐ役割があります。
屋上防水工事にはいくつかの施工方法や素材の種類があり、それぞれメリット・デメリットがあります。耐用年数も異なるため、屋上防水工事を検討する際は、施工方法や素材の種類の違いを理解しておきましょう。
今回は、屋上防水工事の施工方法と必要素材を併せて解説します。
屋上防水工事とは建物の寿命を延ばすための工事
屋上防水工事とはマンションやビルの屋上で水を防ぐ工事です。
防水工事していない場合、建物の劣化により内部に水が侵入し、雨漏り、サビや腐食が住環境の低下の原因になります。屋上防水工事は、建物の寿命を延ばすために重要な対応策です。
まずは、屋上防水工事の一般的な工期や費用などを紹介します。
屋上防水工事の一般的な工期
屋上の広さや施工方法によって工期は変わります。
屋上の状況によって、前処理や足場が必要な場合は期間が延びます。
複雑な形状だと工期に影響します。
屋上防水工事の施工方法は大きく分けて3種類
屋上防水工事の施工方法は、シート防水・塗膜防水・アスファルト防水の3種類です。それぞれに使われる素材によって、耐用年数が異なります。
施工方法 | シート防水 | 塗膜防水 | アスファルト防水 |
---|---|---|---|
素材の種類 | ・塩ビシート ・ゴムシート | ・ウレタン ・FRP | アスファルト |
耐用年数の目安 | 10~15年 | 10年程度 | 15~20年 |
ここでは、屋上防水工事で主に用いられる施工方法3種類を詳しく解説します。
シート防水
シート防水とは、屋上に防水性の高いシート素材を張る屋上防水工事です。
屋上防水工事のシート防水には、塩ビシートやゴムシートが用いられます。一般的に塩ビシートの方が厚く、単価も多少高いことが特徴です。
シート防水の耐用年数は、一般的に10~15年と考えられています。
他の屋上防水工事と比較して工期の短いことがメリットです。
ただし、屋上に凸凹が多い場合は張り付けが困難なケースもあります。
塗膜防水
塗膜防水とは、液状の塗料を塗って防水膜を作る施工方法です。
耐用年数は、一般的に10年未満です。塗膜防水はシート防水とは異なり、塗りものなので複雑な形状や凸凹で下地材を貼れない屋上にも対応できます。
主に素材は、主にウレタンやFRPが用いられます。ウレタンはFRPよりもコストが低く、軽量なことが特徴です。
FRPとはガラス繊維強化プラスチックのことで、強度に優れています。繊維シートを塗り込むためシート防水よりも工期がかかる、素材のにおいが強いことがデメリットです。
近年ではウレタンを塗るのではなく、スプレーガンで吹き付けるだけのような改良されたものもあります。
アスファルト防水
アスファルト防水とは、液状のアスファルトを屋上に塗ってアスファルトルーフィングを重ねて張り防水層を作る屋上防水工事です。
複層のため耐久性に優れています。防水層が厚いため耐用年数は15~20年と、他の屋上防水工事よりも長いことがメリットです。
ただし、アスファルトは重いため、建物へ負担がかかる場合もあります。また、アスファルトは熱で溶融するためにおいが強く、居住中の工事には不向きです。
屋上防水工事が必要な理由
「屋上をわざわざ防水しなくてもよいのでは?」と思われるかもしれませんが、実は屋上防水工事は建物の寿命を左右する重要な工事です。
ここでは、屋上防水工事が重要とされる理由を解説します。
1. 水はけをよくして雨漏り予防
屋上防水工事には、水はけをよくして雨漏りを防ぐ役割があります。
マンションやアパートの屋上や陸屋根は、平らで水はけが悪いため、建物が劣化すると水が内部に侵入しやすくなります。建物内に水が入ることは、内部に湿気が残り、カビの発生や鉄骨がサビたり木材が腐ったりして建物が傷む原因です。
屋上防水すると水はけがよくなるため、建物が劣化したときに雨漏りしにくくなります。
2. 建物の劣化を防ぎ耐久性を高める
前述のとおり、屋上防水工事には建物の耐久性を高める効果があります。
建物は時間とともに劣化し、水が建物内に侵入しやすくなります。屋上防水工事は、水が侵入しにくい環境を作るため、サビや腐食を予防するのに効果的です。
屋上防水工事には、建物の寿命を延ばすためにも必要な工事です。
屋上防水工事が必要な事例
すでに建物が施工済みで、屋上防水工事をしていない場合は、どのタイミングで防水工事をすべきか迷うかもしれません。また、すでに屋上防水工事をしている場合も、定期的なメンテナンスが必要です。
早急に屋上防水工事が必要かどうかは、屋上の状況によって判断できます。次の場合は、屋上防水工事を検討する必要があるでしょう。
- 雨漏りしている
- 屋上に水がたまっている
- 屋上に雑草が生えている
- コンクリート・アスファルト防水・塗膜防水のひび割れがある
- シート防水が剥がれていたり浮いていたりする
水はけが悪く、水のたまっている状態が続く場合は、建物が腐食しやすくなります。できるだけ迅速に屋上防水工事、あるいは定期メンテナンスを行う必要があります。
大きな問題が発生する前に屋上防水工事を依頼すること
屋上防水工事は、施工方法によって耐用年数が異なるため、雨漏りや住居の腐食など深刻な問題まで発展するまでにかかる時間が異なります。
先述のように、雨漏りや腐食のような大きな問題まで発展しまうと、原因を突き止めるために時間や費用がかかってしまいます。たとえば、雨漏りであれば、実際に問題のある個所を調査して修繕を行い、そうして最後にようやく屋上防水工事となります。
予防工事を行っておけば、調査や修繕を行わずトップコートを塗り替えるだけで済んでしまうこともあるでしょう。問題が見られる前に、あらかじめ専門的なメンテナンスを行うことをおすすめします。
屋上防水工事なら工期が短くコストの安いシート防水がおすすめ
屋上防水工事には、大きく分けてシート防水・塗膜防水・アスファルト防水があります。それぞれのメリットやデメリットは、次のとおりです。
施工方法 | シート防水 | 塗膜防水 | アスファルト防水 |
---|---|---|---|
メリット | ・工期が比較的短い ・軽くて建物への負担が少ない ・コストが比較的安い | ・屋上の形状に合わせて工事できる ・軽いため建物への負担が少ない | ・耐用年数が長い ・屋上の使用用途に合わせて種類が選べる |
デメリット | ・耐用年数が比較的短い | ・工期が比較的長い ・においが生じる | ・重いため建物の負担になる ・工期が長い ・においが生じる |
シート防水は、比較的工期が短く建物への負担も少ないことが特徴です。シートを貼り付ける比較的簡易な工事のため、メンテナンスもしやすいでしょう。
屋上防水工事でアスファルト防水を行う際は、アスファルトルーフィングをアルミアングル又はアルミフラットバーと呼ばれる部材で固定します。白水興産では、防水に適した軽くて頑丈なアルミアングルやフラットバーを販売しています。さまざまな形状を取り扱っているため防水に合ったものが見つかるでしょう。