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隔板はどんな役割があるの?交換方法や素材選びのポイントも解説

2023.08.02

マンションやアパートのベランダやバルコニーは避難通路としての役割があります。避難通路に設置されている隔板は、個人使用の仕切りだけでなくプライバシー保護の目的の役割もあります。
どのようなサイズ・素材でもよいわけではなく、消防法や建築基準法で定められた方法による設置が必要です。
今回は、隔板の役割を解説した上で、破損した際の交換方法と費用、素材選びのポイントも説明します。

隔板とは集合住宅のベランダを仕切る板のこと

隔板はどんな役割があるの?交換方法や素材選びのポイントも解説

隔板とは、マンションやアパートなどの集合住宅のベランダ、バルコニーを仕切る板のことです。
まずは、隔板の役割と避難時の利用(破り方法)を解説します。

隔板の役割

隔板は、プライバシーの保護や個別使用の区画境界の役割を持っています。
ベランダ、バルコニーの戸境を仕切り、各戸の目隠しとなってプライバシーを守ります。
また、隔板は災害時に破って避難通路として使用するために破れる素材となっています。

隔板の破り方

火事など災害が起きた際の避難通路として隔板を破るときは、ベランダ、バルコニーの手すりや壁を支えにします。
ケガを防ぐため、かかとを使って蹴破るのが一般的な破り方です。力のない人や女性の場合は、フライパンや鍋、ハンマーなどの道具を用いて破っても問題ありません。
蹴破った際に破片でケガをする恐れがあるため、蹴破る際は半ズボンや裸足は避けましょう。また、破った後に隔板をくぐる際のケガにも注意が必要です。

マンション・アパート用の隔板の選び方

隔板はどんな役割があるの?交換方法や素材選びのポイントも解説

マンションやアパートに設置する隔板を選ぶときは、サイズ・素材・避難指示の言語に注目しましょう。入居者のプライバシーを守り、災害時には破りやすい隔板を選ぶ必要があります。
ここでは、マンション・アパート用の隔板の選び方を解説します。

サイズ

隔板は、ベランダ、バルコニーを仕切れればどのようなサイズでもよいわけではありません。
市区町村によると、隔板の内寸横幅は600mm以上の人が通れる幅を確保することとしています。[注1]
隔板のサイズを選ぶときは、市区町村が規定するサイズであることに注意するだけでなく、住人のプライバシーが守れるような高さにしましょう。足元が大きく開いていたり、上から覗けるサイズにしたりすると、住人同士のプライバシーが守られないケースもあります。

[注1]新宿区:避難上有効なバルコニー又は器具等について
http://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000286330.pdf

素材

隔板には、主に以下の2種類の素材が使われます。

  • ケイカル(珪酸カルシウム)板:比較的軽いが強度はフレキシブル板より弱いため、低層のアパートやマンションに使用される素材。
  • フレキシブル板:セメントでできており重量がある。強度が強いため、風の強い高層マンションの隔板として使われる。

ケイカル板・フレキシブル板、ともに建築基準法によって定められた不燃材料で、熱や湿気で寸法が変化しにくい素材です。
ケイカル板は、ケイ酸質や石灰質などで作られており、フレキシブル板よりも軽いメリットがあります。軽く割れやすいため、アパートや低層マンションの隔板として使われます。
フレキシブル板は、セメントで作られている板です。ケイカル板よりも重量があり、割れにくい素材でできています。そのため、風の強い高層マンションで主に使われる素材です。

避難表示の言語

隔板には、直接あるいはシールで避難指示を表示する必要があります。
近年は外国人入居者も増えているため、日本語はもちろん外国語での表示も重要です。英語や韓国語での避難指示が表示されている隔板を選ぶと、さまざまな入居者に対応できます。

万が一の事態あるいはプライバシーどちらを大切にするか

万が一の事態に備え、速やかにその場を通行できるように破れやすく作られているのが隔板です。一方で、人の力でも簡単に破れるということは、意図せず壊れやすいという側面もあります。
避難のしやすさだけでなく、可能であれば破らないで通り抜けられる隔板が欲しいと思われるかもしれません。昨今では、破らずに開閉できる隔板を出しているメーカーもあります。非常時に蹴ったり道具を使用したりしなくても、簡単に押し開けられるのが特徴です。
しかし、非常時以外でも簡単に開けられるのは問題です。プライバシーの面で懸念点が残ります。
万が一の事態に備えることに加えて、プライバシーも守る、両方を意識して隔板を選びましょう。

隔板が破損したときの対応方法

隔板は災害時の避難通路に設置されるため破りやすい素材でできています。そのため、台風などの強風や入居者の不注意で破損する可能性もあります。
破損する原因と対応方法の手順をみていきましょう。

隔板が破損する原因

避難通路に設置するため、隔板は非常に脆い素材で作られています。そのため、強風で飛んできた物や強い風が当たると容易に破損する恐れがあります。
また、子どもが誤って破ってしまったりベランダやバルコニーに置いた物が倒れて破れてしまったりすることが、主な隔板の破損原因です。

隔板が破損したときの対応手順

隔板が破損してしまった場合は、まず現場の写真を撮りましょう。火災保険で補償されるケースもあるためです。
次にできるだけ迅速に隔板の修理や交換を専門業者に依頼し、応急処置としてブルーシートや段ボールで破れた部分を覆っておきます。
応急処置するときは二次災害を防ぐため、素材が飛ばないようにしっかりと貼る必要があります。

隔板の修理・交換費用の目安

隔板はどんな役割があるの?交換方法や素材選びのポイントも解説

隔板の修理・交換の費用は、隔板のサイズによって高額になることもあります。
隔板はベランダ、バルコニーや壁と接続するフレームに、ケイカル板やフレキシブル板を取り付ける構造をしています。同一メーカーの場合、フレームが変形していなければ、板を取り替えるだけの交換可能です。

修理・交換費用は誰が負担するか

隔板のあるベランダやバルコニーは共用部分に当たるため、自然災害による破損はオーナーが負担します。
しかし、入居者の過失で隔板が破損した場合は、入居者が費用を負担します。入居者には原状回復の義務があるためです。

隔板の修理・交換は火災保険の適用となるケースも

隔板の修理・交換費用は、火災保険で補償されるケースもあります。
火災保険でカバーできる自然災害(台風・強風・積雪など)で、隔板が破損した場合は火災保険が適用されます。ただし、定期的なメンテナンスを怠っていたり、故意や過失で起こったりした破損には適用されません。

隔板の交換にかかる時間

隔板は取り外して新しいものに交換するだけですので、作業にかかる時間はわずかです。
しかし、たとえば災害が原因によって隔板を破いたあるいは壊れてしまった場合、専門業者が実際に対応するまでに時間がかかることが想定されます。2週間以上かかることもあるでしょう。
もし交換が必要になったら、プライバシーの問題もありますので、なるべく早く修理依頼をするべきです。

プライバシーと安全を守る隔板は白水興産のアークボードがおすすめ

隔板には、入居者のプライバシーを守り、災害時の避難通路に設置されます。破りやすい素材を選ぶことも重要ですが、設置するマンションやアパートに合ったカラーやデザインを選ぶとよいでしょう。
白水興産の集合住宅用バルコニー隔板は、枠色が4種類のカラーから選べ、板の色も12色から選べます。サイズや形はオーダーメイドで承っているため、設置場所に合わせた隔板をご用意できます。
素材はフレキシブル板を使用しており、強風にも強い隔板です。ご興味あれば白水興産製品ページをご覧ください。