水切りの重要な役割とは?種類や修繕方法等をご紹介!
2023.08.02
水切りは屋根や外壁などに設置される水よけの金物のことです。地味な存在ですが、雨水の浸入から建物を守る大切な役割を担っています。存在が地味なため、劣化や損傷が発生しても見過ごされがちですが、放置すると建物に深刻なダメージを与えてしまうこともあります。
本記事では、水切りの役割や種類、破損した場合の修繕方法などについて説明します。
水切りの目的は壁面を流下する雨水から建物を守ること
水切りの一番の目的は、壁面を流れる雨水などが建物内部に入らないように防ぐことです。L字型の金物であることが多く、建物と基礎の間、窓の下、バルコニー下、屋根などに設けられます。
建物に窓枠などの出っぱりがあると、上裏(あげうら)と呼ばれる枠の下部分に水がたまりやすくなります。たまった水は、室内へ水が浸入する原因になることもあるため、注意が必要です。
また、たまった水は壁面の同じ場所を伝い落ちるため、壁面が汚れてしまいます。水切りがあれば、雨水などのほとんどは水滴となって落ちていき、上裏に水がたまりません。
建物と基礎の間に水切りがない場合は、内部に水が染み込んでしまうため、基礎が腐ってしまうほか、床下に湿気がたまってシロアリやカビが発生しやすい環境になってしまいます。
建物の構造によっては水切りがないものもあります。しかし、横殴りの雨などのことも考えると、水切りがあったほうが建物にとって安心です。
外壁で使われる水切りの種類
外壁に使われる水切りは、主に「水切り・土台水切り」「水切りあご・水切り目地」「防鼠(ぼうそ)付水切り」「壁止まり板金(かべどまりばんきん)」の3つです。それぞれについて詳しく解説します
水切り・土台水切り
窓の下や建物の下に設置される水切りです。建物下に設置されるものは、土台水切りとも呼ばれます。土台水切りは住宅品質確保促進法で設置が義務付けられているものです。
水切りあご・水切り目地
水切りあごとは、外壁を突出させることで、建物自体を水切りにすることです。ただしこのままでは表面張力により、雨水があご下を伝わってしまいます。そのため、あご下には水切り目地と呼ばれる溝が作られます。溝があれば、水がそれ以上内側に伝わらず、溝の手前で水滴として落下。水切り目地はマンションの軒やバルコニーの下部分に多く見られます。
防鼠(ぼうそ)付水切り
土台水切りの一種で、水切りとネズミよけが一緒になったものです。土台水切り部分は床下の換気口としても利用されています。水切りの下側に蓋がないと、そこからネズミが入ってくるため、防鼠付水切りでは下側に蓋がしてあるのが特徴です。ただし、そのままでは通気もできなくなってしまうため、通気用の穴が網状に開けてあります。
屋根で使われる水切りの種類
屋根で使われる水切りは、「ケラバ捨て水切り」「軒先水切り」「雨押え水切り板金(あまおさえみずきりばんきん)」です。以下で詳しく説明します。
ケラバ捨て水切り
ケラバとは屋根側面の外壁から突き出た部分のことです。ケラバには袖瓦と桟瓦があり、風雨が強いと袖瓦と桟瓦のすき間から雨水が浸入することがあります。ケラバを覆うことで水の浸入を防止するのがケラバ捨て水切りです。
軒先水切り
軒先とは屋根の先端部分で壁よりも先へ出ている部分のことです。強風雨で瓦の下へ流れた雨水を雨樋へ誘導するために設置します。
雨押え水切り板金(あまおさえみずきりばんきん)
雨押えとは屋根と壁の立ち上がり部分のことです。壁を伝って落ちてきた水が屋根に入り込まないように雨押え水切り板金で排水します。
水切りの劣化と修繕方法
水切りは経年劣化や事故などで、修理や交換が必要になることがあります。具体的な劣化症状と修繕方法について説明します。
色あせ・サビ
水切りの色があせたり、サビが出たりした場合、塗装が必要です。放置すればさらにサビが広がり、最終的には穴があいてしまいます。サビの範囲が狭いうちに対策をすることが重要です。
素材が鉄の場合は塗装によりサビを防止できます。塩化ビニルの場合は、紫外線による劣化を塗装が防止します。素材がステンレスやアルミ、銅の場合は塗装してもはがれやすいため、交換が必要です。
へこみ
水切りに凹みができた場合、小さなものであれば気にしなくても大丈夫ですが、大きく変形している場合は、正しく水が流れない可能性があります。専門業者に点検してもらったほうが無難です。
破損
車や物をぶつけて、水切りが割れたり欠けたりした場合も、水を防げなくなっている可能性があります。また破損の場合は小さなものでも、破損したところからサビが発生しやすくなっていることがあります。破損の場合は交換を考えましょう。
水切りを修理する際の注意点
水切りが劣化したら、思わぬトラブルに発展する前に修理をすることが大切です。ただし、修理をする場合には注意すべき点を押さえておきましょう。
DIYより専門業者に依頼するのがおすすめ
外壁塗装など大掛かりな補修と違って、水切りの塗装や補修程度ならDIYですませようと思う方もいるかもしれません。しかし塗装とはいっても、ただ塗料を塗るのでは不十分です。下地処理が必要なほか、凹みがあればパテ処理をするなどきちんとした処理をしなければ、すぐに劣化してしまいます。よほど自信がある場合を除いて、専門業者に依頼した方が無難でしょう。
雨水から建物を守る水切りにはしっかりとした製品を使おう
水切りは地味な存在ですが、雨水から建物を守る重要な役割をはたしています。水切りが機能していなければ、建物は内部から腐食しボロボロになってしまいます。そのためしっかりとした製品を使うことが大切です。
修理をする際には、専門業者に依頼をしましょう。
白水興産では、アルミ水切を提供しています。さまざまな納まりに対応できるよう、多くの種類をご用意しています。ぜひ検討してみてください。